インド株式動向(7月14日~7月18日週)
July 20, 2025
インド・スタートアップ状況(2025年6月)
July 29, 2025

 

インド株式動向(7月21日~7月25日週)

インドの主な経済統計カレンダー

月日 経済統計 前回 予想 実績
5月28日 4月鉱工業生産(YOY) 3.00% 1.00% 2.70%
5月30日 GDP(YOY)1Q $0.06 $0.06 $0.07
5月30日 GDP 2025P 6.50% 6.30% 6.50%
6月6日 RBI政策金利 6.00% 5.75% 5.50%
6月6日 6月現金準備率 4.00% 4.00% 3.00%
6月12日 5月CPI(YOY) 3.16% 2.98% 2.82%
6月16日 5月貿易収支(M) ($26,424) ($25,000) ($21,880)
6月27日 国際収支(Q1) $11.5b $8.9b $13.5b
6月30日 5月鉱工業生産 2.70% 2.40% 1.20%
7月4日 外貨準備高 $702.8b   $697.9b
7月14日 6月CPI(YOY) 2.82% 2.26% 2.10%
7月15日 6月失業率 5.60%   5.60%
7月28日 6月鉱工業生産(前年比) 1.20%    

 

インド株式市場の動向

インド株式指数・年初来騰落率(2025年7月25日時点)
指数 価格 騰落率(先週比%) PER 年初来騰落率(%) 配当利回り(%) 昨年末価格
S&P BSEセンセックス 81463.09 -0.36 22.06 4.25 1.32 78,139.01
CNXニフティ指数 24837 -0.53 21.79 5.04 1.34 23,644.80
S&P BSE500種指数 36129.89 -1.10 23.84 2.67 1.18 35,189.03
S&P BSE200種指数 11282.11 -0.89 23.14 3.21 1.26 10,931.06
S&P BSE100種指数 26031.97 -0.73 22.44 3.87 1.33 25,061.75
BSE LargeCap 9571.7 -0.75 22.40 4.14 1.32 9,191.17
BSE MidCap 45978.04 -1.71 31.38 -1.00 0.76 46,444.66
BSE SmallCap 53906.46 -2.49 28.72 -2.31 0.65 55,180.60

株式市場は小型株指数中心に下落したものの、個別株は企業決算に一喜一憂。好決算を発表した企業の株価が大きく上昇しています。ソフトウェア開発を手掛けるInfoBeans Technologies Ltdの株価は好決算が好感され、株価は前週比33.24%上昇。連結純利益が前年同期比200%増の2.33億ルピー(前年同期0.77億ルピー)でした(売上高は前年同期9.69億ドルから15.3%増の11.18億ルピー)。株価は史上最高値598.65ルピーを付けました。25日時点の時価総額は136.95億ルピー(約2300億円)です。センセックス指数構成銘柄のオンライン・レストラン・ガイドおよびフード・デリバリーを手掛けるエターナルの株価も好決算が好感され前週比20.69%高。この上昇で、時価総額は2.99兆ルピー(約5.0兆円)に成長。一方、株価が前週比28.5%下落したIndian Energy Exchange Ltdは、決算内容は市場予想を上回っていたものの、規制当局による価格改革が懸念され株価が下落しました。

 

インド株式投資信託の動向

多くにインド市場に投資するファンドが設定されています。投資信託協会によるとインド関連の投資信託は7月25日日時点で96銘柄が取引されています。今週はファンド全体的に資産が減少しています。日本株が盛り上がったため、インドから日本への資金移動があったのでしょう。純資産額が最も多い銘柄は野村インド・ファンドの4,575億円(前週比マイナス94.8億円)、次がHSBCインド・インフラ株式オープンの3,361億円(同マイナス57.5億円増)3位がイーストスプリング消費ファンドで2,879億円(同3マイナス45.8億円増)、4位はダイワ・ダイナミック・インド株Fの2,719億円(同マイナス61.7億円増)です。今週資金流出が最も多かったファンドは、野村インド株投信の94.8億円で、次が新光ピュアインド株式ファンドの60.5億円。

代表的なファンドの価格推移(7月25日時点)
銘柄 価格 前週比(%) 年初来騰落率(%) 資産額
S&P BSEセンセックス 81,463.09 -0.03 4.25 -
T&Dインド中小型株ファンド 16,590.00 -1.40 -9.77 24,751.00
高成長インド中型株式ファンド/SMAM 13,554.00 -1.96 -11.04 191,894.00
イーストスプリングインド消費関連ファンド 21,496.00 -1.44 -4.71 287,948.00
HSBCインドインフラ株式オープン 19,050.00 -1.60 -8.15 336,140.31
HSBCインド小型株式オープン 9,221.00 -2.43 -10.02 1,314.00
野村インド株投資 46,256.00 -1.99 -8.51 457,577.00
ダイワダイナミックインド株ファンド 10,463.00 -1.88 -4.30 271,952.00
新光ピュアインド株式ファンド 19,049.00 -2.31 -3.89 234,425.00

インド株式市場について

インドにはボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所(NSE)の2つの代表的な取引所があります。ボンベイ証券取引所(BSE)は現物が中心、NSEは電子証券取引所で現物他、オプションや先物などデリバティブなどの金融商品が取引されています。現時点において、インドでの取引はNSEが中心で、2024年度の売上高はNSEが約2800億円(16,433.61Crores)、ボンベイ証券取引所は約275億円(1,618.00Crores)です。現物銘柄の多くは両市場で取引されているものの、終値については統一されていません。

 

株式指数について

インドの代表的な株式指数はボンベイ証券取引所のセンセックス指数とNSEのNifty50です。SENSEX指数はボンベイ証券取引所に上場する代表的な30銘柄で構成されています。Nifty50はNSEに上昇している代表的な50銘柄で構成されています。Nifty50の構成銘柄はSENSEX指数構成銘柄が組入れられています。

 

銘柄紹介

① マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)社 とスズキ社(東証:7269)

筆頭株主はスズキ(東証:7269)でマルチスズキの株式58.28%を保有しています。インド4輪車市場の販売台数は1位、2位が現代、3位はマヒンドラ・マヒンドラ。インド自動車工業会が発表した1月のインド国内販売台数は35.1万台(前年同期比3.5%増)で、単月として過去最高を更新しました。メーカー別の販売台数は1位がマルチスズキの17.3万台(前年同月日4.1%増)、2位が現代で5.4万台(同5.4%減)、3位はマヒンドラ・マヒンドラの5万台(同17.6%像)でした。マルチスズキのインド国内シェアは49.2%とトップ。マルチスズキの株価の年初来騰落率は2.8%と好調です。マルチスズキの時価総額は6.3兆円とスズキの3.6兆円を上回っています。年間売上高は約2.5兆円です。マルチスズキの下落率(前週比)は2.52%と、マヒンドラ・マヒンドラの4.72%、タタ・モーターの10.96%を大きく上回っています。日本市場のスズキの下落率は9.20%と比べてもマルチスズキ株への期待の高さが現れています。米国が保守主義に走るなか、インドの市場は魅力的。マルチスズキのPERは24.69倍です東証のスズキのPER8.6倍と割安感があります。