インド株式動向(8月4日~8月8日週)
インドの主な経済統計カレンダー
月日 | 経済統計 | 前回 | 予想 | 実績 |
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6月12日 | 5月CPI(YOY) | 3.16% | 2.98% | 2.82% |
6月16日 | 5月貿易収支(M) | -26,424 | -25,000 | -21,880 |
6月27日 | 国際収支(Q1) | $11.5b | $8.9b | $13.5b |
6月30日 | 5月鉱工業生産 | 2.70% | 2.40% | 1.20% |
7月4日 | 外貨準備高 | $702.8b | $697.9b | |
7月14日 | 6月CPI(YOY) | 2.82% | 2.26% | 2.10% |
7月15日 | 6月失業率 | 5.60% | 5.60% | |
7月28日 | 6月鉱工業生産速報(前年比) | 1.90% | 1.50% | |
8月6日 | RBI政策金利 | 5.50% | 5.50% | 5.50% |
8月12日 | 7月CPI(前年比) | 2.10% | 1.40% | |
8/13-14 | 7月輸出(前年比) | -0.10% | ||
8/13-14 | 7月輸入(前年比) | -3.70% | ||
8/13-14 | 貿易収支 | -18,780 | ||
8月14日 | 7月PPI | -0.13% | -0.48% |
インド株式市場の動向
インド株式指数・年初来騰落率(2025年8月8日時点)
指数 | 価格 | 騰落率(先週比%) | PER | 年初来騰落率(%) | 配当利回り(%) | 昨年末価格 |
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S&P BSEセンセックス | 79,857.79 | -0.92 | 22.42 | 2.20 | 1.34 | 78,139.01 |
CNXニフティ指数 | 24,363.30 | -0.82 | 22.19 | 3.04 | 1.37 | 23,644.80 |
S&P BSE500種指数 | 35,228.64 | -1.04 | 23.73 | 0.11 | 1.21 | 35,189.03 |
S&P BSE200種指数 | 11,031.29 | -0.95 | 23.14 | 0.92 | 1.29 | 10,931.06 |
S&P BSE100種指数 | 25,504.71 | -0.88 | 22.52 | 1.77 | 1.35 | 25,061.75 |
BSE LargeCap | 9,370.95 | -0.90 | 22.22 | 1.96 | 1.39 | 9,191.17 |
BSE MidCap | 44,570.89 | -1.29 | 30.38 | -4.03 | 0.80 | 46,444.66 |
BSE SmallCap | 51,596.97 | -1.86 | 27.68 | -6.49 | 0.69 | 55,180.60 |
注目されていた政策金利は5.5%に据え置かれました。来週は7月のCPIが控えており、市場予想は1.40%と前月の2.1%を大きく下回る見通しです。インドの2年国債は5.69%、10年国債は6.39%で、CPI次第では利下げ期待から国債利回りの低下が予想されます。株式市場に割高感がある中、中期債には投資妙味があります。
インド株式投資信託の動向
投資信託協会によるとインド関連の投資信託は8月8日日時点で98銘柄が取引されています。今週も先週同様、インド関連ファンドから資金が流出しています。米国のインドに対する関税率の引き上げ(最大50%)が嫌気され、インドから資金が流出しています。インド株式市場では外国人投資家の売り越しが続いています。日本市場おいてもファンドの資産が減少傾向にあります。軟調に推移するインド市場が嫌気され、堅調な日米市場に資金が移動しているようです。日本で販売されている主なファンドの純資産額は、野村インド・ファンドの4,404.36億円(前週比マイナス127.13億円)、次がHSBCインド・インフラ株式オープンの3,265.33億円(同マイナス85.00億円)3位がイーストスプリング消費ファンドで2,789.44億円(同99.64億円増)、4位はダイワ・ダイナミック・インド株Fの2,617.96億円(同マイナス85.25億円)です。今週資金流出が最も多かったファンドは、野村インド株投信の127.13億円で、次が新光ピュアインド株式ファンドの102.48億円。この2銘柄は1週間で資産が100億円以上減少しました。
代表的なファンドの価格推移(年初来)8月8日時点
銘柄 | 価格 | 前週比(%) | 年初来騰落率(%) | 資産額 |
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S&P BSEセンセックス | 79,857.79 | -0.67 | 2.20 | - |
T&Dインド中小型株ファンド | 16,088.00 | -2.43 | -12.50 | 23,906.00 |
高成長インド中型株式ファンド/SMAM | 13,131.00 | -3.35 | -13.82 | 186,166.00 |
イーストスプリングインド消費関連ファンド | 20,894.00 | -3.09 | -7.38 | 278,944.00 |
HSBCインドインフラ株式オープン | 18,543.00 | -2.17 | -10.59 | 326,532.62 |
HSBCインド小型株式オープン | 8,781.00 | -3.73 | -14.31 | 1,256.00 |
イーストスプリングインドインフラ株式ファンド | 19,533.00 | -2.94 | -4.71 | 71,953.00 |
野村インド株投資 | 44,661.00 | -2.64 | -11.67 | 440,436.00 |
ダイワダイナミックインド株ファンド | 10,145.00 | -2.51 | -7.21 | 261,796.00 |
新光ピュアインド株式ファンド | 18,154.00 | -4.08 | -8.41 | 222,371.00 |
ノムラアジアシリーズノムラ印度フォーカス | 39,172.00 | -2.09 | -10.69 | 159,432.00 |
iTrust インド株式 | 22,923.00 | -2.86 | -8.26 | 99,161.00 |
新生UTIインドファンド | 41,793.00 | -2.23 | -9.17 | 72,888.00 |
インド株式市場について
インドにはボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所(NSE)の2つの代表的な取引所があります。ボンベイ証券取引所(BSE)は現物が中心、NSEは電子証券取引所で現物他、オプションや先物などデリバティブなどの金融商品が取引されています。現時点において、インドでの取引はNSEが中心で、2024年度の売上高はNSEが約2800億円(16,433.61Crores)、ボンベイ証券取引所は約275億円(1,618.00Crores)です。現物銘柄の多くは両市場で取引されているものの、終値については統一されていません。
株式指数について
インドの代表的な株式指数はボンベイ証券取引所のセンセックス指数とNSEのNifty50です。SENSEX指数はボンベイ証券取引所に上場する代表的な30銘柄で構成されています。Nifty50はNSEに上昇している代表的な50銘柄で構成されています。Nifty50の構成銘柄はSENSEX指数構成銘柄が組入れられています。
銘柄紹介
① マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)社 とスズキ社(東証:7269)
筆頭株主はスズキ(東証:7269)でマルチスズキの株式58.28%を保有しています。インド4輪車市場の販売台数は1位、2位が現代、3位はマヒンドラ・マヒンドラ。インド自動車工業会が発表した1月のインド国内販売台数は35.1万台(前年同期比3.5%増)で、単月として過去最高を更新しました。メーカー別の販売台数は1位がマルチスズキの17.3万台(前年同月日4.1%増)、2位が現代で5.4万台(同5.4%減)、3位はマヒンドラ・マヒンドラの5万台(同17.6%像)でした。マルチスズキのインド国内シェアは49.2%とトップ。マルチスズキの株価の年初来騰落率は2.8%と好調です。マルチスズキの時価総額は6.3兆円とスズキの3.6兆円を上回っています。年間売上高は約2.5兆円です。マルチスズキの下落率(前週比)は2.52%と、マヒンドラ・マヒンドラの4.72%、タタ・モーターの10.96%を大きく上回っています。日本市場のスズキの下落率は9.20%と比べてもマルチスズキ株への期待の高さが現れています。米国が保守主義に走るなか、インドの市場は魅力的。マルチスズキのPERは24.69倍です東証のスズキのPER8.6倍と割安感があります。