インドの主な経済統計カレンダー
月日 | 経済統計 | 前回 | 予想 | 実績 |
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5月22日 | HSBC PMI COMP | 59.70 | — | 61.2 |
5月22日 | HSBC PMI Mfg | 58.20 | — | 58.3 |
5月22日 | HSBC PMI Serv. | 58.70 | — | 6120.00% |
5月28日 | 鉱工業生産(YOY) | 3.00% | 1.00% | 2.70% |
5月30日 | GDP(YOY) Q1 | 6.00% | 6.00% | 7.00% |
5月30日 | GDP 2025P | 6.50% | 6.30% | 6.50% |
6月6日 | RBI政策金利 | 6.00% | 5.75% | 5.50% |
6月6日 | 現金準備率 | 4.00% | 4.00% | 3.00% |
6月12日 | 5月CPI(YOY) | 3.16% | 3.00% | — |
インド株式市場の動向(2025年6月6日時点)
指数 | 価格 | 騰落率(先週比%) | PER | 年初来騰落率(%) | 配当利回り(%) |
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S&P BSE センセックス | 82188.99 | 0.91 | 24.19 | 5.18 | 1.25 |
CNX ニフティ | 25003.05 | 1.02 | 24.15 | 5.74 | 1.25 |
S&P BSE500 | 36338.97 | 1.46 | 26.03 | 3.27 | 1.11 |
S&P BSE200 | 11382.05 | 1.30 | 25.06 | 4.13 | 1.16 |
S&P BSE100 | 26238.7 | 1.15 | 24.34 | 4.70 | 1.23 |
BSE LargeCap | 9646.6 | 1.18 | 23.95 | 4.96 | 1.24 |
BSE MidCap | 46096.51 | 2.13 | 35.50 | -0.75 | 0.72 |
BSE SmallCap | 53440.26 | 1.96 | 32.92 | -3.15 | 0.64 |
インド中央銀行が政策金利を0.5%引き下げ、5.5%に設定(市場予想0.25%引き下げ)しました。これを受け国債のイールド・カーブは中期債を中心に低下し、カーブはスティープ化。インドはインフレ率の低下から政策金利が大幅に引き下げられる可能性があります。4月のインフレ率が3.16%に対し、政策金利は5.5%。6月12日に5月CPIが発表されます。市場予想は3.00%。今後、インド国債金利は今後一段と低下する可能性が高いと言えます。インドの経済成長率は約7%と高い成長を維持しており、債券高(利回り低下)、通貨高が期待できます。
一方、株式市場は割高な水準であるため、現時点では一段の上昇は期待できそうにありません。株式市場と債券市場の割高、割安を判断する時に用いられるイールド・スプレッドは1.68%と株式市場が割高です。(インドNIFTY50指数の益利回りは4.60%、10年国債利回りが6.28%)。しかし、金利の低下とともに株式市場の割高が解消されることが期待されるため、売られる場面は仕込み場と思います。
インド株式投資信託の動向
多くにインド市場に投資するファンドが設定されています。投資信託協会によるとインド関連の投資信託は6月6日日時点で96銘柄が取引されています。純資産額が最も多い銘柄は野村インド・ファンドの4,489億円(前週比4.68億減)、次がHSBCインド・インフラ株式オープンの3,096億円(同5.66億減)3位がイーストスプリング消費ファンドで2,766億円(前週比5.05億円減)、4位はダイワ・ダイナミック・インド株Fの2,708億円(同28.1億円減)です。インド株式市場では中・小型指数が堅調に推移。ファンドの中では、HSBCインド小型株オープン、高成長インド中型ファンドには資金が流入。
代表的なファンドの価格推移(年初来)
(2025年6月6日時点)
銘柄 | 価格 | 前週比(%) | 年初来騰落率(%) | 資産額 |
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S&P BSE センセックス | 82,189 | 0.91 | 5.18 | — |
T&D インド中小型株ファンド | 14,576 | 6.38 | -20.72 | 21,477 |
野村インド株投資 | 43,385 | 5.80 | -14.19 | 426,362 |
高成長インド中型株ファンド / SMAM | 12,453 | 5.73 | -18.27 | 174,577 |
イーストスプリング消費関連ファンド | 20,286 | 5.63 | -10.08 | 266,826 |
HSBC インドインフラ株式オープン | 17,295 | 6.81 | -16.61 | 305,604 |
HSBC インド小型株オープン | 7,923 | 6.94 | -22.69 | 1,105 |
イーストスプリング インドインフラファンド | 18,490 | 6.45 | -9.80 | 68,001 |
ダイワ ダイナミックインド株ファンド | 9,735 | 5.35 | -10.96 | 258,568 |
新光ピュアインド株ファンド | 17,616 | 6.71 | -11.12 | 224,234 |
ノムラ アジアシリーズ インドフォーカス | 36,930 | 5.93 | -15.80 | 150,289 |
iTrust インド株式 | 21,807 | 4.62 | -12.73 | 82,053 |
新生UTI インドファンド | 39,917 | 5.38 | -13.25 | 71,310 |
インド株式市場について
インドにはボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所(NSE)の2つの代表的な取引所があります。ボンベイ証券取引所(BSE)は現物が中心、NSEは電子証券取引所で現物他、オプションや先物などデリバティブなどの金融商品が取引されています。現時点において、インドでの取引はNSEが中心で、2024年度の売上高はNSEが約2800億円(16,433.61Crores)、ボンベイ証券取引所は約275億円(1,618.00Crores)です。現物銘柄の多くは両市場で取引されているものの、終値については統一されていません。
株式指数について
インドの代表的な株式指数はボンベイ証券取引所のセンセックス指数とNSEのNifty50です。SENSEX指数はボンベイ証券取引所に上場する代表的な30銘柄で構成されています。Nifty50はNSEに上昇している代表的な50銘柄で構成されています。Nifty50の構成銘柄はSENSEX指数構成銘柄が組入れられています。
銘柄紹介
① マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)社 とスズキ社(東証:7269)
筆頭株主はスズキ(東証:7269)でマルチスズキの株式58.28%を保有しています。インド4輪車市場の販売台数は1位、2位が現代、3位はマヒンドラ・マヒンドラ。インド自動車工業会が発表した1月のインド国内販売台数は35.1万台(前年同期比3.5%増)で、単月として過去最高を更新しました。メーカー別の販売台数は1位がマルチスズキの17.3万台(前年同月日4.1%増)、2位が現代で5.4万台(同5.4%減)、3位はマヒンドラ・マヒンドラの5万台(同17.6%像)でした。マルチスズキのインド国内シェアは49.2%とトップ。マルチスズキの株価の年初来騰落率は2.8%と好調です。マルチスズキの時価総額は6.3兆円とスズキの3.6兆円を上回っています。年間売上高は約2.5兆円です。マルチスズキの下落率(前週比)は2.52%と、マヒンドラ・マヒンドラの4.72%、タタ・モーターの10.96%を大きく上回っています。日本市場のスズキの下落率は9.20%と比べてもマルチスズキ株への期待の高さが現れています。米国が保守主義に走るなか、インドの市場は魅力的。マルチスズキのPERは24.69倍です東証のスズキのPER8.6倍と割安感があります。