インド・スタートアップ状況(2025年5月)
June 12, 2025
インド株式動向(6月16日~6月20日週)
June 21, 2025

インドの主な経済統計カレンダー

月日 経済統計 前回 予想 実績
5月22日 5月HSBC PMI COMP 59.7 - 61.2
5月22日 5月HSBC PMI Mfg 58.2 -

58.3

 

5月22日 5月HSBC PMI Serv. 58.7 - 6120.00%
5月28日 4月鉱工業生産(YOY) 3.00% 1.00% 2.70%
5月30日 GDP(YOY)1Q $0.06 $0.06 $0.07
5月30日 GDP 2025P 6.50% 6.30% 6.50%
6月6日 RBI政策金利 6.00% 5.75% 5.50%
6月6日 6月現金準備率 4.00% 4.00% 3.00%
6月12日 5月CPI(YOY) 3.16% 2.98% 2.82%
6月16日 5月輸出(前年比) 9.00% - -
6月16日 5月輸入(前年比) 19.10% - -
6月16日 5月貿易収支(M) -$26,420 -$25,000 -

 

インド株式市場の動向

インド株式指数・年初来騰落率(2025年6月13日時点)
指数 価格 騰落率(先週比%) PER 年初来騰落率(%) 配当利回り(%)
S&P BSEセンセックス 81118.6 -1.30 23.88 3.81 1.25
CNXニフティ指数 24718.6 -1.14 23.89 4.54 1.26
S&P BSE500種指数 35946.69 -1.08 25.77 2.15 1.12
S&P BSE200種指数 11252.01 -1.14 24.78 2.94 1.18
S&P BSE100種指数 25940.81 -1.14 24.07 3.51 1.24
BSE LargeCap 9531.67 -1.19 23.68 3.70 1.25
BSE MidCap 45681.28 -0.90 35.38 -1.64 0.73
BSE SmallCap 53370.29 -0.13 32.78 -3.28 0.64

注目されていた5月の消費者物価指数は2.82%(前回3.16%)と、市場予想(2.98%)を下回る良い数字でした。政策金利が5.5%なので、CPIとの乖離が2.68%に拡がりました。政策金利の水準がまだまだ高いので、一段の引き下げが期待できます。一方、イスラエルとイラクの紛争が悪化。原油価格(WTI)が急騰(前週比8.4ドル高の72.98ドル。インドは石油の海外依存度が高いため紛争の長期化はインドのCPIの押し上げ要因です。債券市場では原油価格上昇が嫌気され中期債中心に売られ、利回りが上昇。2年国債利回りは前週比0.12%高の5.76%、5年債は0.21%高の6.08%。紛争が短期的に終わればよいですが、長期化はインド経済のネガティブ材料です。

 

インド株式投資信託の動向

多くにインド市場に投資するファンドが設定されています。投資信託協会によるとインド関連の投資信託は6月13日日時点で96銘柄が取引されています。純資産額が最も多い銘柄は野村インド・ファンドの4,483億円(前週比5.5億減)、次がHSBCインド・インフラ株式オープンの3,293億円(同16.1億減)3位がイーストスプリング消費ファンドで2,762億円(同3.7億円減)、4位はダイワ・ダイナミック・インド株Fの2,704億円(同3.8億円減)です。ファンドの中で資産額が増加した銘柄は1位がiTrustインド株式で、前週比19.8億増の949.5億円、次が進行ピュアインド株式Fの18.5億円増の232.3億円、3位が高成長インド中型ファンドの11.1億円増(資産額は1,829億円)

代表的なファンドの価格推移(年初来)613日時点

銘柄 価格 前週比(%) 年初来騰落率(%) 資産額
S&P BSEセンセックス 81,118.60 -1.29 3.81 -
T&Dインド中小型株ファンド 16,001.00 -1.76 -12.97 23,822.00
野村インド株投資 45,358.00 -1.81 -10.29 448,366.00
高成長インド中型株式ファンド 13,090.00 -1.47 -14.09 182,959.00

インド株式市場について

インドにはボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所(NSE)の2つの代表的な取引所があります。ボンベイ証券取引所(BSE)は現物が中心、NSEは電子証券取引所で現物他、オプションや先物などデリバティブなどの金融商品が取引されています。現時点において、インドでの取引はNSEが中心で、2024年度の売上高はNSEが約2800億円(16,433.61Crores)、ボンベイ証券取引所は約275億円(1,618.00Crores)です。現物銘柄の多くは両市場で取引されているものの、終値については統一されていません。

 

株式指数について

インドの代表的な株式指数はボンベイ証券取引所のセンセックス指数とNSEのNifty50です。SENSEX指数はボンベイ証券取引所に上場する代表的な30銘柄で構成されています。Nifty50はNSEに上昇している代表的な50銘柄で構成されています。Nifty50の構成銘柄はSENSEX指数構成銘柄が組入れられています。

 

銘柄紹介

① マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)社 とスズキ社(東証:7269)

筆頭株主はスズキ(東証:7269)でマルチスズキの株式58.28%を保有しています。インド4輪車市場の販売台数は1位、2位が現代、3位はマヒンドラ・マヒンドラ。インド自動車工業会が発表した1月のインド国内販売台数は35.1万台(前年同期比3.5%増)で、単月として過去最高を更新しました。メーカー別の販売台数は1位がマルチスズキの17.3万台(前年同月日4.1%増)、2位が現代で5.4万台(同5.4%減)、3位はマヒンドラ・マヒンドラの5万台(同17.6%像)でした。マルチスズキのインド国内シェアは49.2%とトップ。マルチスズキの株価の年初来騰落率は2.8%と好調です。マルチスズキの時価総額は6.3兆円とスズキの3.6兆円を上回っています。年間売上高は約2.5兆円です。マルチスズキの下落率(前週比)は2.52%と、マヒンドラ・マヒンドラの4.72%、タタ・モーターの10.96%を大きく上回っています。日本市場のスズキの下落率は9.20%と比べてもマルチスズキ株への期待の高さが現れています。米国が保守主義に走るなか、インドの市場は魅力的。マルチスズキのPERは24.69倍です東証のスズキのPER8.6倍と割安感があります。