インド・スタートアップ状況(2025年4月)
2025年4月のインドにおけるスタートアップ資金調達は、総額7億4,500万ドル・116件にとどまり、前月(11億4,000万ドル)と比較して約34.7%の大幅な減少となりました。これは過去5年間の4月としては最低水準であり、グローバル経済の不確実性や米国の関税政策による市場への影響が背景にあると見られています。
ステージ別動向
4月も引き続き、アーリーステージへの投資が中心となりました。資金調達件数では、シードラウンドが最も多く38件、次いでシリーズA(24件)、プレシリーズA(18件)、プリシード(11件)となっています。なかでもシリーズAラウンドでは2億4,000万ドルが調達され、月間全体の32%を占めました。
地域別動向
地域別では、バンガロールが最も多くの資金を集め、35件で約2億6,894万ドルを調達。次いでデリーNCR(31件/2億5,344万ドル)、ムンバイ(15件/1億2,296万ドル)が続きました。また、プネー(7件/3,567万ドル)、チェンナイ(8件/2,984万ドル)といった都市も存在感を示しています。
セクター別動向
業種別では、フィンテック分野が全体の4分の1以上にあたる1億8,911万ドル(9件)を集め、最も活況を呈しました。次いで、Eコマース(17件/6,488万ドル)、フードテック(13件/4,484万ドル)と続いています。
注目の大型資金調達
注目の取引としては、中古車販売プラットフォーム「Spinny」がシリーズEで1億3,100万ドルを調達し、4月最大の資金調達となりました。続いて、決済ソリューションの「Juspay」がシリーズDで6,000万ドルを確保。他にも、Rebel Foods(2,500万ドル、シリーズG)、防衛技術企業Tonbo Imaging(2,100万ドル、シリーズD)、コンサルティング企業Uniqus Consultech(2,000万ドル、シリーズC)などが挙げられます。
今後については、シリーズAラウンドの活発化からも分かる通り、、アーリーステージの有望スタートアップが引き続き注目されており、エコシステム全体としては次の成長フェーズに向けた準備が進んでいる様子がうかがえます。上場を視野に入れる企業も増えており、慎重ながらも前向きな市場環境が続いています。