インド株式動向(6月2日~6月6日週)
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インド株式動向(6月9日~6月13日週)
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インド・スタートアップ状況(20255月)

 

4月に低迷したインドのスタートアップ市場は、5月に入り力強い回復を見せ、月間の資金調達総額は11億4,000万ドル・98件に達しました。前月(7億4,500万ドル)と比較して約53%増加し、2025年における月間最高額を記録しました。ただし、前年同月比では、過去5年間で2番目に低い水準にとどまっています。この大幅な増加は、物流プラットフォーム「Porter」の2億ドル、医療系スタートアップ「PB Healthcare」の2億1,800万ドルといった大型案件がけん引しました。これらの大型取引に加え、中規模の案件も安定して成立し、市場の投資意欲が再び高まりつつあることを示しています。

ステージ別動向

5月は、グロースおよびレイターステージが25件で6億3,700万ドル、アーリーステージが66件で5億500万ドルとなり、両者ともに活発な動きを見せました。資金調達件数では、シードラウンドが最も多く36件で3億905万ドルを調達。シリーズBが11件・2億1,980万ドル、シリーズAが18件・1億7,395万ドルと続きました。7件の取引は詳細が非公開となっています。

地域別動向

都市別では、バンガロールが6億5,997万ドル(35件)を調達し、全体の約57.8%を占め首位となりました。次いでデリーNCRが1億8,920万ドル(31件)、ムンバイが2億898万ドル(15件)と続いています。また、チェンナイ(2.42%)やアーメダバード(0.09%)といった地方都市でも若干の動きが見られました。

セクター別動向

業種別では、ヘルステックが9件で2億8,893万ドルを調達し、全体の約25.3%を占めました。続いて物流分野が6件・2億4,489万ドル(21.5%)を記録。フィンテックは10件と最も多い取引数を記録しましたが、調達額は1億399万ドル(9.1%)にとどまりました。その他の注目分野では、AI関連が3,739万ドル、Eコマースが3,050万ドルを調達しています。

 

5月は例年、資金調達が活発な月として知られていますが、特に今年はシードステージへの投資が目立ちました。これは、創業初期の企業に対する期待が高まっていることを示すとともに、今後のシリーズA・Bラウンドへと繋がる成長可能性の高い企業への支援が強化されている証左とも言えるでしょう。