インド株式動向(7月28日~8月1日週)
インドの主な経済統計カレンダー
月日 |
経済統計 |
前回 |
予想 |
実績 |
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5月28日 | 4月鉱工業生産(YOY) | 3.00% | 1.00% | 2.70% |
5月30日 | GDP(YOY)1Q | $0.06 | $0.06 | $0.07 |
5月30日 | GDP 2025P | 6.50% | 6.30% | 6.50% |
6月6日 | RBI政策金利 | 6.00% | 5.75% | 5.50% |
6月6日 | 6月現金準備率 | 4.00% | 4.00% | 3.00% |
6月12日 | 5月CPI(YOY) | 3.16% | 2.98% | 2.82% |
6月16日 | 5月貿易収支(M) | ($26,424) | ($25,000) | ($21,880) |
6月27日 | 国際収支(Q1) | $11.5b | $8.9b | $13.5b |
6月30日 | 5月鉱工業生産 | 2.70% | 2.40% | 1.20% |
7月4日 | 外貨準備高 | $702.8b | $697.9b | |
7月14日 | 6月CPI(YOY) | 2.82% | 2.26% | 2.10% |
7月15日 | 6月失業率 | 5.60% | 5.60% | |
7月28日 | 6月鉱工業生産速報(前年比) | +1.90% | +1.50% |
インド株式市場の動向
インド株式指数・年初来騰落率(2025年8月1日時点)
指数 | 価格 | 騰落率(先週比%) | PER | 年初来騰落率(%) | 配当利回り(%) | 昨年末価格 |
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S&P BSEセンセックス | 80599.91 | -1.06 | 22.76 | 3.15 | 1.34 | 78139.01 |
CNXニフティ指数 | 24565.35 | -1.09 | 22.30 | 3.89 | 1.37 | 23644.80 |
S&P BSE500種指数 | 35598.07 | -1.47 | 24.03 | 1.16 | 1.21 | 35189.03 |
S&P BSE200種指数 | 11137.12 | -1.29 | 23.43 | 1.89 | 1.29 | 10931.06 |
S&P BSE100種指数 | 25730.72 | -1.16 | 22.81 | 2.67 | 1.35 | 25061.75 |
BSE LargeCap | 9455.64 | -1.21 | 22.52 | 2.88 | 1.37 | 9191.17 |
BSE MidCap | 45155.19 | -1.79 | 30.71 | -2.78 | 0.79 | 46444.66 |
BSE SmallCap | 52575.33 | -2.47 | 28.18 | -4.72 | 0.67 | 55180.60 |
インドでは6月の鉱工業生産が前年比1.5%増と発表されました。この値は、前月の1.9%から減速。また、市場予想の2%を下回ったため、株式市場では失望売りがで、小型株指数を中心に幅広い銘柄に売りがでました。一方で、決算発表が続く中、好業績を発表した企業の株は上昇。来週は6日にRBI政策金利が発表されます。市場予想は据え置き5.5%ですが、利下げ余地あるインド。利下げが実施されてもおかしくありません。
インド株式投資信託の動向
多くにインド市場に投資するファンドが設定されています。投資信託協会によるとインド関連の投資信託は8月1日日時点で96銘柄が取引されています。今週はファンド全体的に資産が減少しています。日本株が盛り上がったため、インドから日本への資金移動があったのでしょう。純資産額が最も多い銘柄は野村インド・ファンドの4,531.4億円(前週比マイナス44.2億円)、次がHSBCインド・インフラ株式オープンの3,350.3億円(同マイナス11.0億円)3位がイーストスプリング消費ファンドで2,889.0億円(同9.60億円増)、4位はダイワ・ダイナミック・インド株Fの2,704.7億円(同マイナス16.3億円)です。今週資金流出が最も多かったファンドは、野村インド株投信の44.2億円で、次が新光ピュアインド株式ファンドの18.0億円。先週同様、インドファンドから資金が流出しています。
代表的なファンドの価格推移(年初来)8月1日時点
銘柄 | 価格 | 前週比(%) | 年初来騰落率(%) | 資産額(億円) |
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S&P BSEセンセックス (INR換算) | 80599.91 | -1.17 | 3.15 | - |
T&Dインド中小型株ファンド | 16489.00 | -0.61 | -10.32 | 24550.00 |
高成長インド中型株式ファンド/SMAM | 13586.00 | 0.24 | -10.83 | 192466.00 |
イーストスプリングインド消費関連ファンド | 21561.00 | 0.30 | -4.42 | 288908.00 |
HSBCインドインフラ株式オープン | 18954.00 | -0.50 | -8.61 | 335033.10 |
HSBCインド小型株式オープン | 9121.00 | -1.08 | -11.00 | 1301.00 |
野村インド株投資 | 45873.00 | -0.83 | -9.27 | 453149.00 |
ダイワダイナミックインド株ファンド | 10406.00 | -0.54 | -4.82 | 270321.00 |
新光ピュアインド株式ファンド | 18927.00 | -0.64 | -4.51 | 232619.00 |
ノムラアジアシリーズノムラ印度フォーカス | 40009.00 | -0.79 | -8.78 | 163208.00 |
インド株式市場について
インドにはボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所(NSE)の2つの代表的な取引所があります。ボンベイ証券取引所(BSE)は現物が中心、NSEは電子証券取引所で現物他、オプションや先物などデリバティブなどの金融商品が取引されています。現時点において、インドでの取引はNSEが中心で、2024年度の売上高はNSEが約2800億円(16,433.61Crores)、ボンベイ証券取引所は約275億円(1,618.00Crores)です。現物銘柄の多くは両市場で取引されているものの、終値については統一されていません。
株式指数について
インドの代表的な株式指数はボンベイ証券取引所のセンセックス指数とNSEのNifty50です。SENSEX指数はボンベイ証券取引所に上場する代表的な30銘柄で構成されています。Nifty50はNSEに上昇している代表的な50銘柄で構成されています。Nifty50の構成銘柄はSENSEX指数構成銘柄が組入れられています。
銘柄紹介
① マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)社 とスズキ社(東証:7269)
筆頭株主はスズキ(東証:7269)でマルチスズキの株式58.28%を保有しています。インド4輪車市場の販売台数は1位、2位が現代、3位はマヒンドラ・マヒンドラ。インド自動車工業会が発表した1月のインド国内販売台数は35.1万台(前年同期比3.5%増)で、単月として過去最高を更新しました。メーカー別の販売台数は1位がマルチスズキの17.3万台(前年同月日4.1%増)、2位が現代で5.4万台(同5.4%減)、3位はマヒンドラ・マヒンドラの5万台(同17.6%像)でした。マルチスズキのインド国内シェアは49.2%とトップ。マルチスズキの株価の年初来騰落率は2.8%と好調です。マルチスズキの時価総額は6.3兆円とスズキの3.6兆円を上回っています。年間売上高は約2.5兆円です。マルチスズキの下落率(前週比)は2.52%と、マヒンドラ・マヒンドラの4.72%、タタ・モーターの10.96%を大きく上回っています。日本市場のスズキの下落率は9.20%と比べてもマルチスズキ株への期待の高さが現れています。米国が保守主義に走るなか、インドの市場は魅力的。マルチスズキのPERは24.69倍です東証のスズキのPER8.6倍と割安感があります。